上手く伝わらないのは...

自分のこと、話し上手だと思いますか?

 

そう言われて、自信を持ってイエスと答えられる方は少ないでしょう。

かく言う私もそうです。

 

内容がつまらないだけならまだいいです。

私の場合は、声が小さいうえに滑舌が悪いのです。

相手から頻繁に「え?」と聞き返されました。

もう話が上手下手以前の問題です。

相手にはこちらが何を言っているか不明瞭だし、こちらも相手に伝わらずイライラ。

絶望的なコミュニケーションです。

 

とはいえ、このままでいいはずがありません。

幼い子どもなら「もうやだ!」と駄々をこねて終わりでしょうがこちらは大の大人、そういうわけにはいきません。

この状況を改善しなければいけないのです。

 

まず問題点を順番に解決していくことにしました。

 

根本的な解決策として、声の小ささをどうにかすることにしました。

オペラ歌手のような大きな声を出す必要はありませんが、とにかく相手に聞き取ってもらえる声を出す必要があります。

何故自分の声が小さいか考えたところ、口をちゃんと開かずに話していたことに気づきました。

そのせいで声が明瞭に発声されず、こもり気味になっていたのです。

 

なので、そこから気をつけて話すようにしました。

そうすると、声の小ささと共に滑舌の悪さも改善されてきました。

プロの腹話術師ならともかく、口を開かずに聞き取りやすい声を出すことなど無理だったわけです。

 

次に話の内容が上手く伝わらないことについて考えてみました。

例えば10伝えたいことがあるとしましょう。

私は10全てを伝えようとしていたのです。

芸人さんのような普段からトークの上手い方ならともかく、こちらは素人。

無理がありました。

10全てを伝えようとするから、ダラダラと長くなってしまい、結局何が言いたいのか伝わらない。

聞かされる方は地獄です。

 

なのでこの10全てを伝えようとすることを止めました。

ここは絶対に外してはいけないというところから伝える、まず10のうち3を伝えるところから始めてみました。

こちらとしては3だけ伝えればいいのだから、幾分か気が楽になりました。

そしたら相手にも上手く伝わったのです。

こちらの説明不足な点等については、相手から質問されるので、その都度答えました。

5、6、7と伝えたいことが肉付けされていったのです。

 

10全てを伝えるには至りませんでしたが、問題ありません。

相手が望んでいなかったからです。

そう、相手はそもそも7程度の情報で事足りたのに、私は10全てを与えようとしていたのです。

 

以前の私に決定的に欠けていたもの、それは相手への配慮でした。

相手のことを全く思いやっていなかったわけではありませんでした。

むしろその逆のつもりでした。

でも伝わらなかったのは、結局独りよがりなだけだったのです。

 

接しているのは、あくまで人です。

小手先のスキルを全否定するつもりはありませんが、重要なのは伝えようとする気持ちです。

あまり精神論的なものは好きではありませんが、大事なことだと思うのです。

自分自身で経験したことで、身をもってそう実感しました。

お互い気持ちの良いコミュニケーションをとれた方が幸せですしね。